「Bye Bye バニティちゃん」発売中

もう10月も終わりですか。すでに今年もあと2ヶ月だということにショックをおぼえますね、一年早いな。



もうじき3巻が発売となります「たそがれたかこ」であります。楽しみだなー。なにしろ書店さんに置かれているのを通常ほとんど見ないので 、自分が漫画家であることを忘れてるぐらいじゃよ。発売して数日間はたまに見るという、季節限定のアイスみたいなもんでして。この機会に見に行きたいなーと思います。



そして3巻から出てくる、ナスティ(「たかこ」を読んでない方にはわからないと思いますので説明しますと、主人公・45歳のおばちゃん、片岡隆子の愛するバンドがナスティインコという名前でして、通称ナスティなんであります)のメジャー初シングルの曲名に ここで初めてふれてみましょう。



タイトル「Bye Bye バニティちゃん」というんですが、このタイトル、今から30年以上前に出版された伊東愛子先生の漫画「Bye Bye vanity」から勝手に拝借いたしました。いわば
愛子先生へのオマージュ(のつもり)でございます。



漫画の内容自体は当時非常にハードで、まだ子供でしたワタクシには胸にグッサリくる話でした。大人になった今読んでも決して軽い話ではなく、主人公の少年・堅一くんは良家のぼっちゃんで一点の曇りもなかったのに、無精子症であることがわかった時から、跡取りであることにプレッシャーをかけられ、さらには子だくさんの幸せな家庭を夢見る恋人の弓子ちゃんを置き去りにして 一人都会で不良少年になっていくというあらすじ。でもそこには、変わっていかないものなど何もない、からまわっても汚れても生きていけ!的な強いテーマがストーリーをつらぬいているのです。



時代が今とはかなりちがいますんで、今読むと違和感を感じる方もおられるとは思います。途中暴走族みたいなお兄ちゃん方も出てきたりで、ワタクシも昔から馴染みのない世界でございますが、なにしろ伊東先生の絵が、もう独特で、そこから流れでる世界観が、なんというかーロックなんでしょうな。カッコイイのです。タイトルもめっちゃカッコイイなと子供心に思っておりまして、いや 今も思ってます。



それで「メジャー初シングルかあ。どんなんがいいかな」と思ってたトコに何だかこの「Bye Bye vanity」というタイトルがピカッときたのです。ただそこまでハードなイメージだとちょっと谷在家くんのカンジではないので「vanity」を「バニティ」とカタカナにして「ちゃん」を付けてみたー と。そんなカンジです。

初版の単行本もあります、自慢です。







カッコイイです。伊東愛子先生。



そしてCDジャケットですがー毎回考えるのが楽しいです。ホントに実在するミュージシャンのつもりで考えてるんですが。今回の「バニティちゃん」はジャケットの裏面でナスティのメンバーが小さめに出てるんですけど、こーいうの好きなんですよ。背景の中にミュージシャンがただ立ってるやつ。音楽雑誌を立ち読んでも 「うっ…この写真ツボや」と思うと つい買いがちです。今回は門前仲町にロケ行きました。門仲は大変生活観のあるワクワクする町なんですよ。居酒屋さんも死ぬほどあります。そんで、ちょっとかわいいお店もあったりとか。



今回のCDの写真撮影はお風呂屋さんの前にしました。色味がかわいかったので アルバムのジャケット(裏)のバンドメンバー写真背景にぴったりだと思いー描いちゃってから 「これ いちいち描くの大変かも…」と思うのはお約束。でも気に入っているのでヨシとする。3巻にはまだ載りませんが、BE-LOVE本誌の方ではチラチラ出しております。11月のアタマ発売のにかなり大きく描いてますんで、「どーら」と思った方は見てね。





さて、ここいらで ダンナニュース。9月に「空也上人がいた」を発売したダンナですが、このところトークショーのお話がチラホラあり、「なぜ?」といった感があります。いや、儲かってませんよ、最初にいっときますが。テレビとかとは違うので。どちらかと言えば、マニアックな部類のトークショーかと。つい先月にも IKKIの休刊を記念するライブに呼ばれ、編集長の江上さん、松本大洋さんとのトークショーに出演しました。(すいません見てないんですが)

松本大洋さんとは前回の故土田世紀さんの回顧展で京都で初めてお会いしたらしいのですが、なんというかー 松本大洋に一目惚れしまして、うちの英樹。今までその作りあげられたイメージで、勝手におしゃれ漫画家さんだと思っており、自分なんかとはする話もない、ぐらいに思ってたんじゃないかと思うんですよ。でも今年に入ってから、松本先生現在連載中の長編「SUNNY」を読んで、「なにコレ、ずるい!こんなカッコイイ絵ですげぇ人情話じゃねーか!こんなもん泣くわ!傑作だわ!」と大感銘を受け、さらに実際にお会いして、その職人気質、お人柄、たたずまい、その全てが好き!!とピーンときたのでしょうね。おさすがでございます、天才・松本大洋先生。



もう京都から帰ってきて大変だったんスよ。

「大洋さんがね、大洋さんがね」(ダンナのほうが年上)

と嬉しそうに話すダンナ、
 
「そんで?!そんで?!」

と コーフンの極みの自分。



「大洋さんに言ったんかい?大好きて」

と聞いて見たら

「ああ、言ったよ」

と言うてました。オモロイですな〜。



今ふとこんなこと書いていいのか?と思う。松本先生のファンの方、新井ファンの方が読んだら不愉快かな?不愉快だったらごめんなさい。まあ、中年の戯言だと思って軽く流してください。



脱線いたしました。



そんなダンナの次回マニアックトークショーのお知らせです。

なんとめずらしく自分で告知文を考えて、のせといて、と頼まれました。

以下 コレです。





昨年夏、実は高校の同期に「AV監督の溜池ゴローがいる」という情報を耳にし、調べてみたらクラスメートだったという流れで、いろいろあって12月11日に阿佐ヶ谷ロフトAでイベントをやることとなりました。

イベント後半からは岩井志麻子さんの参加も決定しました。

よかったら是非来て下さい。あとPR活動もほぼできないので 知った方 、情報の拡散お願いします。

             新井





とのことです。みなさま よろしくお願いいたします。





そーだ、ワタクシからもお知らせ。BE-LOVE編集部のツイッターですでにお知らせ済みのようですが、全国の書店さまへ。 11月13日発売の「たそがれたかこ」3巻を推してくださる書店さま、いや、3巻だけじゃなくていいですよ、1巻も2巻も、とりあえず「たかこ」推してやるわ、と思ってくださってる書店員さま、担当編集Rさんが特製手作り宣伝物をご用意しておりますので、ぜひお気軽にご連絡くださいませ、編集部にお電話でも大丈夫です!とのことです。



スゴイなあ!なんやろ、手作り特製宣伝物とは?聞いておけばよかったなあ。私も欲しいなあ。それを持って全国まわりたいですな、リヤカーに単行本積んで。ラジカセも積む。大音量で好きなCDかけて、「毎度お騒がせしております…」てな。そこまでしなくても勝手に売れてくれるようになりたいぜ。よろしくです。