さあ!がんばろーぜ

時間薬が少し効き、大分落ち着いてまいりました。先日は取り乱し申し訳ありませんでした。なにしろ趣味や娯楽が少ないものでして。

手術も終え、回復にむかっているようですね、宮本さん。ヨカッタヨカッタ。無理だけはしないでほしいです。



なんとは無しに関連したような オハナシなのですが、体がツライ、キツイと苦しんでらっしゃる同世代の方々、運動ってしてますか? わたくし入江はスポーツと名のつくものは、およそ好きになれないので、このまま出来るだけ、運動なんかせんと一生を全うしたいと思っとります、はい。思ってるんだけど〜肩・首のコリがあまりにも辛く、めまいも恐いので、血行がよくなるよう、踏み台を上がり降りしながら肩をグルグル回すというヘンなオリジナル運動をしております。養命酒も飲んじゃったりして。なにしろ血行が悪いと更年期も重くなることがあるらしく、体の具合が悪いのもイヤですが、メンタル面で落ち込むのは もっとイヤでして。 血行をよくすべく日々、模索を繰り返しております。 そーしつつ 「ずいぶん心身共に鞭打つことしてきたなあ〜、大丈夫かい?」と自問自答。

果たして がんばりきれるのか?40代終盤戰、と不安になったりもします。



そんな中先日自転車で近所に用足しに行った時のこと−。

その日はちょいと気がたってまして。やること山ほどあって朝から分刻みでがんばってたのに、銀行と郵便局にも今日中に行かねばならぬことに気づき、もうこーなれば、ついでに夕飯の買い物もしちまえ〜!ってんで、近所ばっかりの用だったのに勇ましく愛車の白号にまたがった。白号は我が愛自転車で、もう25年ほど乗っているので、すでに白くはない。21歳ぐらいの時に、今は亡き父が (当時軽井沢在住)東京の私のアパートに来た時に使う用に勝手に買ってしまった自転車である。

当時、自転車に乗れなかった!私は「チクショー余計なもの置いていきやがって〜」ぐらいなことを内心思っていたと思う。しかし今よりヒマも気力もあったので、ある日乗ってみることにした。なんでそんな恐ろしいことを考えたかというと、スイスイ乗ってる夢をみたから。今まで幾度となく挑戦してもダメだったけど、今回は乗れるな、と思い、乗ったらホントに乗れました、という…ウソみたいな話です。

まあ、そこから先は乗りこなすまでに ちょいと苦労しましたが、白号で赤ん坊だった娘を乗せたり、アシさん飯の大量買い物をしたりと、ずいぶん働いてもらったんですよ。言わば4半世紀共に戦ってきた戦友です。愛着があります。だから ダシが出そうに汚くなっても、乗れるうちは新しいのに買い替える気がしないまま、今にいたっているという− なんか傷み具合も自分と重なるのかもしれませんね。

そんな白号にまたがり、急ぎ交差点を渡りかけたその時に「ブチィッ」と太い音がすると共に 右手に凄い衝撃を感じ−気がつくとブレーキが根こそぎ切れてしまっているのが目に入る。危うく傾きかけましたが、なんとか引いて横断歩道を渡り切りました。

切れた勢いで、ブレーキの金具が当たった右手が痛みましたが、それより思ったのが 「もう だめだな これ」 という、自転車にとも自分にとも取れる一言で。 25年も酷使された白号はボロボロで、これを直してくださいというのは、ちょっと非常識なのでは−と思う。新しいの買った方が早いよ、と自転車屋さんは言うだろうし。自転車屋さんは、確か500mぐらい先にあったはずだけど、どっちみち今からでは 銀行の窓口での用足しはアウトだな−と今日の予定総崩れをダメだなと思い−最後には自分を思いましたよ。私生活も仕事もダメなんじゃないかなー と。暗くて申し訳ありませんが、なんか漠然と思ってしまったんですよ、この時は。

しかし刻々と過ぎていく時間。いつまでもセンチメンタルにひたってる間はなく、まず自転車をどーするか考えた。今から持ってって買い替えた場合、何が一番困るかと言うと、荷台にくっつけた子供を乗せる兼荷物を乗せる用のアレ。なんて言うのか知りませんが、「おかめ」の中で やすこさんの自転車の後ろにくっつけてるアレです。ウチの娘はもう大きいので、アレもすでに不要なのですが、漫画で描くのには、なるべくあった方がいいのです。でも新しい自転車に、またアレを付けてもらうのはちょっとなあー 「おかめ」だって いつ終わるかわからんし… とドーモ明るい方に頭が働かず。でも 自転車はすぐにも必要なので、とりあえず、今日は本体だけでも買い替えることにしなくては、と白号の写真を撮りました。アレを中心に。








あきらめて自転車を引きながら歩いてたら、ホントに自転車が可哀相になってきて(アホだな〜と笑ってください、いい年こいて) 自転車屋さんの数メートル前まで来た時には、まるで馬かなんかに言うように、白号にポンポンと手をやり、「また会おう」と声に出して言うてたという(コワッ)。 「ご苦労様」も「ありがとう」もなんか違うんですよ。そんで 気を取り直して、自転車屋さんの大将に言いました。

「これ 今 乗ってて壊れちゃったんですけど、古いからもうダメですよね? 」

買い替えた方がいいですよね、と続けようとしたら 大将一言。

「どうしたい?」

この御仁がまた、人の良さそうな、決してこの一言がイヤミに聞こえない穏やかな話しぶりなのです。何と返してよいか とっさに言葉が出ないでいると、自転車と私をためつすがめつ見て
「治るよ、コレ。千円で」

と言う。

「治りますか?」と私。

「じゃ、お願いできますか」 とまるっきり予想だにしなかった展開に、急にパーっと明るくなりました。

すぐ治ると言うので、その間に最寄の郵便局へ向かい用を片付ける。戻ってみると、白号は名札をつけられて、仕上がった自転車の端におとなしく並んでいた。代金は ホントに千円ポッキリ。

「すいません、助かりました」と心からのお礼を言うと大将ボソッと一言
「もう少し がんばってみれば? ね」

これ ホントに 何気なく言ってくれたんだと思うんですけど、なんだか 今置かれてる全状況に対して 何者かが 大将の口を借りて 言ってくれたのでは?! というくらい 驚いたのです。 「ハイ、そうします。ありがとう」 と、その場を立ち去りましたが 涙出そうで、ウルウルしました。それだけの ことなんですが、なんだか 元気が出たような。 中高年になると やはり心身共に弱っているから、暖かい言葉によりグッと来るんでしょうね。エ?ヤバいですかね、私。 でも お言葉通り もーちょい がんばってみようと思います、白号と一緒にね。

これ 読んでる 中高年の皆様も がんばってね。 応援してますぜ、エベバデ!!!



というお話でした。オチもなくすいません。 (なげーよ)