最近のワタクシ、こんなカンジ

前回は修羅場中のせわしない内容で宣伝だけとなりすいません。

今回は近況など書き綴りたいと思います。



まず、最近変わったこと。ペン入れを生まれて初めて手伝ってもらってます。

これ漫画家としてゴクフツーのことなんですが、25年漫画家やって初めての私です。大きな事件です。処女喪失ぐらいか?じゃたいしたことねーな、ということなかれ。先日いろいろなアクシデントが重なり、さらに、いつもトーンのお手伝いをしてくれてる 若い女子、Kさんが病で来られなくなったりして、あわやの大ピンチになったのです。自分自身も体力の限界ッ…と引退時の千代の富士状態。そこでダンナ、助け舟を出す。



「背景描いてもらいなよ、ウチのだれかに」



エーッ エーッ エーッ

無理無理無理だよ〜ッ



と拒む姿はギリギリになってごねる素人AVオバサンのようであるなーと自分で思ったという。

なにしろ新井組のアシさんは、私が言うのもナンですが、精鋭揃いの劇画描きたち。私の100倍は上手だし、第一絵の質もちがう。しかしそんな理由で拒むことも出来ないくらい切羽詰まっていたのです。

そこであきらめ、新井組唯一の女性スタッフ、Sさんに背景を描いていただくこととなった。Sさんは女性ではあるものの、バイクに乗り、かつてはボクシングも嗜んでおられた新井組一の男前ねえさんである。

新井組の仕事と平行して作業してもらうゆえ、ダンナの職場に私が指示を出しにいくのであるが、これがやりにくい。なにしろ普段は食堂のおばちゃんのごとき、おさんどんのワタクシ。なんだか店のお客さんとか下宿の学生さんに仕事をお願いするような…。



「ここは こんなカンジで…」



と、我が刷りだしを差し出す。恥ずかしい。ヘタだから。なんだよこの羞恥プレイ〜!と内心思いつつ。Sさんは真剣に



「ハイ」



と頷いてくれている。 そこに出ました、ダンナ。



「Sさん、そこあんまりちゃんと描いちゃうと入江喜和らしくないから! ちょっとガシガシにして」

「あ、ハイ」



と、戸惑い気味のSさん。

さらにダンナ



「整合性は考えないで。とにかくらしく描くことが重要だから」

「ハイっ」



Sさんがんばる。



「あんまりちゃんと描いちゃうと後で入江喜和困るから」



…とまだまだ続く。



側で聞き付けた娘曰く



「軽い暴言じゃね?アレ」



そんなこんなで、今、手伝ってもらうことに慣れ中です。いつもトーン貼ってもらってるYさんにも、ペン入れの手伝いをやってもらい始め、新井組の他の男子にもトーンを貼ってもらったり、あいてる人にペン入れをちょっとお願いしたりとか… 。

そうして思ったこと。



「なんて楽なのであろう!」



たしかに指示出しは大変だけど(いろんな意味で)、こりゃこたえられないなあー、楽で。と思い、すぐ反省しました。



「これに慣れてはいかん。最高に困った時の切り札として取っといて、出来るところは今まで通り自分でなんとかしよう。」



アホかいと、お思いでしょうが、私のような調子に乗りやすい人間には、つねに戒めが必要なもので…。
なので正しくは、手伝ってもらいつつ、自戒しておる、といういつもながらのめんどくさいカンジです。





さらに 近況 その2

BE-LOVE本誌の近況にもかきましたが、5月31日に閉館した吉祥寺の映画館、バウスシアターに、エレカシの映画を見に行ってきました。なんと20年ぶりです。



20年前、自分の記憶に間違いがなければ、映画館であるバウスシアターで、エレカシがライブをやったのです。当時、「宮本から君へ」をモーニングにて連載していたダンナは、たしかインタビューかなんかされることになり、そのライブに呼んでもらい、すでにエレカシ大ファンになっていた私は、ノコノコついていったような…(記憶あやふや) ライブはもちろん素晴らしく、その後楽屋のメンバーをダンナ越しに遠目に眺めたのを覚えております。(あくまでも眺めただけ)

その後、ダンナの初代担当編集・Tさんにお寿司屋さんに連れていってもらい、



「もう 今日死んでもいいぐらい幸せかも」



発言をした気がします。



あれから20年。あちらさんは日本のロックバンドとして、確固たる地位を築き上げ、こちらもなんとか、まだ漫画を描いており、今だにファン。その距離は全く縮まっておらずーいったいいつ20年もたったものか、人生は不思議であります。 吉祥寺に行ったのも20年ぶり。ダンナと出かけるのは昨年末、バニちゃんを鳥の病院に連れていった以来ですな。

しかしなんでしょう、何を見ても懐かしく、映画も当時のエレカシと今のエレカシが交互に映ったりして、あの時代を共に生きてきた感慨とでもいうのでしょうか。



「いろんなことがありましたねえ〜」



と感じ入りました。 今回も招待されたダンナに便乗しただけのおばさんでしたが(ダンナは監督さんと話したりしておった) 行ってよかったなーと思いました。



それにしても残念だよねえ…バウスシアターにSHIBUYA-AX… 。

映画、音楽、ついでに漫画の居場所を狭めないでほしいなあ。だれにお願いしたらいいのかわからないけど。
それから 単行本「たそがれたかこ」1、2巻ですが、いろいろなご感想、どうもありがとうございます。あいかわらず読める範囲は少ないワタクシですが、励みになるお言葉が多くて感謝しております。 いつも応援&宣伝ありがとうの雲田はるこちゃま、ええ?!読んでくれてたの?ありがとうございますの安永知澄ちゃま(いや、お会いしたことありませんが、多分年下の方だろうと思い…) その他、もっと素性がわかれば名指しでお礼を申しあげたい愛しいみなさま(わからなすぎてごめんなさい)、どうもありがとうございます。お言葉胸に刻み、がんばります。



最後に近況3

長らく8年もの間、ワタクシの担当編集を勤めてくださったMさんが、移動となりました。この場をお借りして改めて 御礼申し上げます。お疲れ様でした〜シクシク(/_;) 「おかめ」「たかこ」と二人で築いたオバリズム(てか おばちゃんテイストの漫画ってなんていうの??) シッカと 新担当Rさんと受け継ぎ、花咲かせます!

なんてな。花て…どんな花や 。







入江作・Mさん